20 February 2011

地を這う人、屋上からの眺め


裏通りのアパートからジャズが落ちてきた
老人の鼻歌と子供の歓声がそれを拾った
わたしは確認した
孤独な魂らは集まって街をつくる
これは個人と個人の時間の共有なのだ
街は愛からできている

Falling from an apartment back street was jazz
The old man's humming and the children's yell
picked up the tune
I confirmed that
solitary souls get together to build a town
It is a sharing of time among individuals
The town is made of love

                    『ゴスペル』佐藤わこ


ピソに屋上があることは知っていたけど、今まで登ったことがなかった。
頭を整理するために考えることが必要だと思った瞬間、
自然とここに足が向いていた。

このコントラスト。
これがバルセロナ料理にもあるmal i muntanya(海と山)
を構成する風景だ。

市場と広場があって、近所からお昼ゴハンの匂いが漂い、
食器の重なる音と談笑が聞こえる。
人が住む街ってこういうことを言うんだと思う。


完全に地デジ化されているけれど、
家々の屋上にずらりと並んだパラボナアンテナが原始的なように、
便利と不便が、お祭り気分と癒されない傷が共存する街、バルセロナ。
やっぱり私はあなたを愛するよ。

そんなことを確認できたひととき。

12 February 2011

謎の同居人


ご近所で敢行中のセグウェイ・ツアー。
これ、一度でいいから試してみたい!!
一台余っているならちょっと乗せてよーとついつい思った場面。

と、これとはまったく関係なく、
3日程前夜中に帰宅するとネットが繋がらない・・・。
あれ〜となってリビングにLANケーブルの様子を見に行った。

すると電気をつけたその瞬間、見知らぬ男がのそっと起き上がった!

こういう時、案外人って冷静なんですな。
叫ぶわけでもなく、「えっ?」みたいな・・・。
そしたら寝袋みたいなのに包まれたその人、
「ココハ、アナタノイエデスカラ〜、ゴジユウニ、オツカイクダサイ〜」
みたいな片言のスペイン語で話しかけてきた。
いや、それよりなにより、あなたは誰?
とか疑問がまったく浮かばなかったのが奇跡だ。
「あ、そうですかぁ〜。こりゃ起こしちゃって失礼しました〜」
と遠慮気味に返事して、とっとと部屋へ辞退した私・・・。
 酔っていたせいもあって、その日はそのままベッドへと直行。

状況がつかめたのは翌日のお昼も過ぎた頃。
二日酔いの頭を抱え、熱いシャワーを浴びる。
物音ひとつしないので、ピソには誰もいないだろうと思い込み、
バスタオル一丁でバスルームから自分の部屋へとすたすた。
が、そこでキッチンから登場したるは見知らぬ女!
「ごめんなさ〜い!!!」となぜか私が謝る。。。
部屋に駆け込み、ようやく前夜のことを思い出す。
で、一体だぁれ???あの人たち???

服を整え、いざ彼らとご対面。
聞けば同居人・イタリア人の友人で2、3日程泊めてもらうとか。
謎の男は、スイス出身。年齢もイタリア人とはちょっと離れているような。
一体どこで繋がっているかまったく関係性が掴めない。
それに男女で来たからといって、その二人、別々の部屋に寝てるし、
特にカップルってわけでもなさそうだし、漏れ聞こえてくる二人の会話、
なんだかつなたい英語なんだな・・・。
女の方はどこか別の国出身なのかも。。。

で、肝心のイタリア人といえば、その日の午後ちらっと会ったら、
「今夜からロンドンにちょっと行ってくるだけど、彼ら、その間泊めていいよね?」
おいおい、自分不在で人泊めるかー??という手の突っ込みは通用せず。
って、もういるし。。。ダメもなにもないよね・・・。

なんかすっきりしないままだったけど、
大学の授業で急いでたし、とりあえずOKってして外出。
そしたらその夜からめっきり体調崩し発熱。

こんな時、知らない人と話す程シンドイことはない・・・。
今夜は帰りたくない病を発症したが暖かいベッドの誘惑には勝てない。
気を重くしながら帰宅。

やっぱりいるよ彼ら。。。
ちゃっかりリビングでスカイプ通話なんかしちゃって、
まるで自分の家みたいだし・・・。

でも、具合悪いんだけど・・・って言ったら、
「ショウガ紅茶、温まるよ〜。良かったら飲んで〜」
とか、
「これさっき作ったの、自由に食べてね〜」
とか、
他の同居人よりよっぱど親切。
たくさんのフルーツと "KYOTO HOUJICHA"と書いたお茶も勧められる。

その後、ウィルスをまき散らすまいとほぼ部屋に引き蘢っていて、
彼らとほぼ会話してないけど、謎はまだ残る。
昨日、隣の部屋からほぼ半日聞こえた三味線の音色っぽい音楽・・・。

偶然の日本趣味にしちゃ出来過ぎのような気もするけど、
ま、いっか。今朝もコーヒー淹れてくれたし。

早いとこ回復して、この謎を解きたいところだ。

あ、ちなみに今、新同居人募集しております。
バルセロナ在住でピソをお探しの方ご存知でしたら、どうかご一報を!

07 February 2011

まだいくつも寝てないけれど・・・


あけましておめでとう!!
週末、中国の旧正月があってバルセロナでもあちこちでフィエスタ。
近所の海辺でもブースやら獅子舞が出て、盛大に新年を祝っていた。


この獅子舞、中から見えた顔は地元の青年。
赤い方は中国系の少年だったけれど、
あら、こんなところで文化交流。
普段、中国系の人たちってどこにいても同胞といて、
中国語で話しているからこれにはけっこうビックリした。

それにしても中国系の人々のパワーをひしひしと感じる昨今。
こんな一等地で盛大に自分たちの文化を紹介できるって、
なんだかうらやましいわぁ。

そして、ブースでは中華料理に混じって、
寿司やらスペイン料理も売られていたり・・・。
こういうところが彼らのたくましさの現れか。


夕日が染まりつつあるコロンブスの塔が指し示す地中海。
ヤシの木と中国の赤い提灯。
案外しっくり来てて美しかった。