20 February 2011

地を這う人、屋上からの眺め


裏通りのアパートからジャズが落ちてきた
老人の鼻歌と子供の歓声がそれを拾った
わたしは確認した
孤独な魂らは集まって街をつくる
これは個人と個人の時間の共有なのだ
街は愛からできている

Falling from an apartment back street was jazz
The old man's humming and the children's yell
picked up the tune
I confirmed that
solitary souls get together to build a town
It is a sharing of time among individuals
The town is made of love

                    『ゴスペル』佐藤わこ


ピソに屋上があることは知っていたけど、今まで登ったことがなかった。
頭を整理するために考えることが必要だと思った瞬間、
自然とここに足が向いていた。

このコントラスト。
これがバルセロナ料理にもあるmal i muntanya(海と山)
を構成する風景だ。

市場と広場があって、近所からお昼ゴハンの匂いが漂い、
食器の重なる音と談笑が聞こえる。
人が住む街ってこういうことを言うんだと思う。


完全に地デジ化されているけれど、
家々の屋上にずらりと並んだパラボナアンテナが原始的なように、
便利と不便が、お祭り気分と癒されない傷が共存する街、バルセロナ。
やっぱり私はあなたを愛するよ。

そんなことを確認できたひととき。

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