31 October 2010

バルセロナのお豆腐屋さん


すっかり寒くなったバルセロナ。
やるべきことが多い程、現実逃避したくなる。
ということでブログを久々に更新しよう。

バルセロナに今年4月に日本のお豆腐屋さんがオープンした。
私もオープン早々友人に教えてもらって行ったことがあった。
というニュースならまぁどこにでもあること。
しかし後日談が。

7月に来た友達が宿泊した宿に長期で滞在しているご夫婦が。
どこかでお見かけしたような・・・
と思っていたらそのお豆腐屋さんだった。

そしてその時、奥様とお話したら、
ご主人、日本で某新聞の記者をやっていたということ。
しかも社会部・・・どっかで聞いたことがあるよな。。。
と思い出したのは私が日本で働いていた会社の上司の顔。
たしか、彼も同じ新聞社の社会部の記者だったよな、と。

元上司にメール、してみた。
そしたらビンゴ!
お豆腐屋さんのご主人、清水さんは元上司の後輩だったと発覚!

いや〜、ホント世間は狭いものだ。

すぐにでも報告を!と思っているうちに月日は流れ、
10月が終わろうとしている最近、
ようやくお豆腐屋さん再訪問となった。

清水さん、いらっしゃった。
事情を説明すると、元上司のこともよくご存知で。
製造機材を全部見せてくれて、
お豆腐の作り方まで説明していただき。
機材はほぼすべて日本から運んできたとのこと。
それでこそこだわりの日本の味のお豆腐ができるわけだ。
朝早起きする仕事って、パン屋同様、私には過酷な仕事だわ〜。

今までお豆腐屋さんのおだやかなオジサマと思っていたけど、
お話聞いていたら目の奥に光を感じた。
と思ったのは私だけだろうか?
前職のなごりかな。。。

それにしても劇的な転身。
一つの人生で二つのことを成し遂げるってすごい努力だろうなぁと。
おかげでこちらに住む日本人は、
おいしい本格お豆腐を享受できるのだから、
感謝感謝。

その場で、お弁当とお味噌汁をいただいたが、
興奮のためかっこんだため、写真を撮り忘れ・・・。

持ち帰った納豆と揚げ出し豆腐で作った野菜炒めをどーぞ。



バルセロナで生?の納豆をいただけるとはね。


こういった何でもなさげな一皿が、
今の私の胃袋にとってはえっらく貴重なのである。

ちなみにお店の情報はコチラ。
バルセロナに日本から訪れて、
なおかつお豆腐を!という方はぜひ訪れてほしい。
TOFU CATALAN,S.L.
Address: C/Aribau 119 08036 Barcelona
TEL&FAX: 93-453-7352
営業時間: 月〜金: 11:30〜15:00 17:00〜20:00
               土: 11:00〜15:00
休み: 日曜、祝祭日

09 October 2010

ゆぅろ・でーずにー??


バルセロナでお祭りなんかがあると度々登場する移動遊園地。
我が家の近所にも出現したのでお散歩がてら見学。




ちょっとした絶叫系だったり、ビンゴ大会をやってたり、
移動とは思えない程けっこういろんなアトラクションがある。
がしかし、なんか見てはいけないものを見てしまった・・・。


こ、この後ろ姿は・・・どこかでお見かけしたような。。。
他人のそら似だろうか??
ダンボ風やドナルドダック風、さらには見知らぬ王子様まで、
あらゆるキャラクターが一堂に会して子どもたちは大喜びの様子。

笑顔で風船配ってたんだけど、
カメラを向けた途端に背中を向けられた・・・。
そこはやはり大人の事情というものか?

そしてさらに進むと・・・




怪しい白塗りのおじさんの後ろ、もしかして?
かの有名な映画のワンシーンじゃなくって??
寄ってみよう。もうワンシーンあったのだ。




うわ!!
ディカプリオっぽい人。
ケイト・ウィンスレットっぽい人に至っては、
もはやアジア系女優になってるし・・・。
テイストが完全にフィリピン映画の宣伝用看板・・・。


そもそも、ちびっこたちは10年以上も前に流行った
この映画を知る由もないだろう。
一体誰に向けてのアトラクションなのだろうか?


ハリウッドがヨーロッパに輸入されると
こんなになっちゃうのか・・・
そしてこの遊園地、なんのおとがめもなく、
スペイン全域を回っているのだろうか?
コピーライトが泣いておるよ・・・。


違う意味でものすごく楽しめた夜だった。



07 October 2010

お暇をください!

ドン、ドカーーーーーン!!!
9月29日午前9時と同時に大砲の音で目が覚めた。
前回書いたようにいよいよ近所でもストのデモ行進か!?
と慌ててカメラ片手に家を飛び出した。



そんな緊張感も束の間、
実際のところは、この写真のとおり。
ナポレオンの格好したおじさんの合図で、仕込んだ火薬に点火、
大砲の発射と同時に、後ろのおじさんたちが子どもたちに
キャンディーをばらまいている・・・。
音楽隊のおじさんもなんだか陽気だ。
って、なんじゃ!?この平和な光景は!??


どうやら大砲の音は、私の住む地域で開催される
Fiesta Mayor de la Barceloneta開始の合図だった模様。
とんだ拍子抜けだ。

このところ間髪入れず祭りが続いている。
しかも一日で終わってくれればいいものを、
ダラダラと数日かけてあらゆるイベントがやって来るから、
もうお腹いっぱいなんじゃ!
とにかく休ませてください!
というとこに持って来て深夜2時まで近所の広場で続く
屋外コンサート・・・眠れん・・・。

そして最後はやっぱりこれ・・・。


出ました!Correfoc...
心穏やかに過ごそうと決意した夜、
これを家の玄関から10mの広場でやられたら・・・。
この音ったらテロ行為と呼んでも過言ではない。


激しく打ち鳴らされる太鼓隊の演奏と相まって、
とにかくお腹に響き渡る轟。



キレイっちゃキレイなんだけれどね・・・。
今回は通りを練り歩くタイプじゃなくて、
ひとつ広場でやってくれたから逃げ回る必要はなかったけれど、
これが永遠かと思うほど長々と続くのだ。


子どもたちもおじいちゃんに手を引かれて、
果敢に火の元に挑んでいくからねぇ・・・。
「マッチ一本火事のもと」教育で大きくなった私には、
到底理解が及ばないわけだ。


ドラゴンが火を吹く頃には、
人々の熱気も最高潮に。


ここぞとばかりにありったけの花火が投入され次々と点火。
フィナーレは地上に敷かれた導火線に火がつけられ、
爆竹が火の海を演出。大〜爆〜発〜!!!



ちょっとセンチメンタルジャーニーしてた最近だけど、
私にしんみり考える時間など与えてくれないバルセロナよ、
あっぱれ!



06 October 2010

荒れた街につき



9月29日、スペイン全土でゼネストがあった。
名目上、危機に瀕するスペイン経済における
サパテロ政権が取った対策についての抗議だけれど、
この日、バルセロナは一部の人々が暴徒化して、
それはそれは荒れた状況だった。
一部の多国籍企業のショップなどは、
ガラスが割られて略奪にあったりね・・・。
写真は市庁舎前の様子。
警察が大通りを封鎖し、装甲車が猛スピードで行ったり来たり、
それに合わせて投石したりヤジを飛ばしたり、
こんな厳戒態勢なバルセロナを目撃したのは初めて。
大量の人がドバーっと一斉に走ってこっちに向かって逃げてくるから、
なんか一緒になって走ったりして、正直怖かったっす。



騒ぎが静まった後の通りの様子。
ゴミやら瓦礫が道路にまき散らされてひどいことに・・・。
働く人の権利のためにストをやっているのに、
暴れた人はあらゆる社会システムに反対する人や、
ただ単に暴れたい人という噂も聞き、
その後の片付けで市の多大たる税金が使われたかと思うと、
結局働く市民の首を絞めているだけじゃないかと疑問。。。

その影響で、旅の最終日だった大谷さんとのラストディナーも
ほぼ市内すべての店が閉まる中、お店を探すのにまず一苦労。
そしてこの日グラナダに滞在していた野呂新婚ご夫妻は、
なんとアルハンブラ宮殿が開かず見れず仕舞いという結果。
前日にスト情報を聞き、買い込んでいた食料でもって、
一日ホテルで飲み明かしたとか・・・。
こんなんも含めてスペインです。ということなのかしら。
ある意味貴重。

大谷さんが去り、
野呂夫妻が再びバルセロナに戻って来た頃、
私の体力は前日の騒ぎもあって限界に達していた・・・。


だが最後のお役目〜。
実は野呂夫妻が南スペインに行っている間、
私の古びたピソには彼らがおみやげに購入した
カンペールの靴とリヤドロの陶器が保管されていた。


暴徒もまさか貧乏学生の家にこんな高価なものがあるとは
想像及ばなかっただろう。襲撃されずに済んでホッと一安心。
無事、主の元へ返却となった。


最後の夜はやっぱりビールで乾杯!
野呂さん、もとい大串さんの笑顔はやっぱり最高!!
幸せオーラのなせる技か、日本で最後に会った時よりも、
より一層、顔に福が溢れ出ていたこと間違いなし。

まだ若干熱があったが、ついついビールが進んで・・・。

こうして日本からの来客はすべて去って行ってしまった。
彼らの背中を見送った後、満足感と共に襲って来る
どうしようもない淋しさは毎度変わることはなく、
一人になった今、
それでもバルセロナに根を張って生きること、
ここでしか感じることのできないことを改めて考えている。

04 October 2010

大人バルセロナ


今回は大谷さんスペシャル!
今でも寝る暇なく働く大谷さんの、
日本では絶対見れないお姿をお届けできれば。

まずは野呂家に引き続きカヴァ&ワインの試飲。


ブルーのシャツが裕次郎に負けないくらいマリーナにお似合い。


近所にあれど足を踏み入れることのなかったW hotelに初潜入。


ロビーのソファーでも十分寝れる快適さ。
トイレは男女ともハイテクすぎて、
洗面台の水の出し方がわからないという感想。



テラス!
ちょっと風が強くて寒かったけど、
プライベート感がたまりませぬ。
真夏だったらどんだけ気持ちいいんだろぅ。



それにしてもデッキでくつろぐ人々、
一人一台モバイル端末を抱えているという状況。
リゾートに来てももはや欠かせぬものなのだろうか。
海辺で黙々と絵を描く淑女がひときは美しく感じたなぁ。


こちら26階にあるバー、Eslicse
DJが喉ごしいい音楽をかけていた。
高い建物がほとんどないバルセロナ市内。
そんな中、一望できる夜景は格別。
そして私のピソも右手の暗がりに発見。
完全に見下ろされている・・・。
こんな近くに別世界が存在しているとはね。。。


なんだかよそで頼むと甘ったるい「別物」
がやってくるドライマティーニだけど、
ここのは正真正銘おいしゅうございました。

日本にいた頃はたまにはできたこんな生活、
今の私にはとてつもない贅沢なひとときに感じられた。
大谷さん、ありがとう!!!


いつか自力でこんなステキな場所をご案内できる
ステキバルセロナっ子になりたいわぁ。

夏の終わりはやっぱり・・・。


派手に打ち上がっとりました。
そしてこの花火と共に今年のメルセ祭りも終了。

これはcorrefocと違って完全防備は必要なく、
piromusicalといって音楽と花火が一体となった
誰でも安心して見物できるそれはそれは美しい演目。

残念ながら日本の花火のように風情を求めても見当たらない。
とにかくこちらはいかに盛り上がるかが勝負。
花火見ながら踊れるってないものね?

だけど帰り道、
歩行者天国になった大通りを歩く人々の背中を見ながら、
夜風が冷たく感じたラストナイト。

祭りの終わりはいつもちょっと切ない。
そして本格的な秋の足音が聞こえる。