30 September 2010

Lost & Found


失った記憶は戻らなくとも、
見つけるものもあったメルセ最終日。
海沿いに向かいぶらっと近所を歩いていると、
なにやら通りにデコレーションが。
カタルーニャ語で「キャンディーの雨」!?


文字通りキャンディーがいっぱい吊るされている!
おびき寄せられるようにして通りを進むと、
煙とともに芳ばしい香りが・・・。


がたいは良いがラブリーなエプロンのおばちゃんが
せっせと何かを配ってる。
遠巻きから眺めていると、
「ちょっとお嬢ちゃん・・・」と手招きされた。


煙と匂いの正体はコレ!
焼きたてのイワシを丸々2本はさんだボカディージョ。
空腹にはありがたいごちそう。思わぬ形で朝食をいただく。
焼き魚を骨ごと食べる食文化、ここで生きていけると確信する。


寄り道の結果お腹も満たされ、本来の目的地へ。
バルセロネータの海岸沿いで行われたフリマ。
その名も"Lost & Found"
私にとっては別の意味で失ったものが多そうな数日間。
今度は何かを見つける番だ。


ごたごたしたブースから掘り出し物を見つけるのには一苦労。
だけど、ブースを出している人たちがみんなかわいくて、
バルセロナにもこんな人々がいるもんなのねぇと再発見。


結果・・・
戦利品として、いくつかのストールとこのTシャツを発掘。
AdidasなのかAjidesなのか。たとえバッタもんだとしても、
バルセロナへの愛は本物だと信じたい。





29 September 2010

喪失後 - それでも祭りは続いてる

記憶喪失から日にち変わらず、ついにこの日がやって来た。
何をするにもスローモーションのように感じられ、
シャワーを浴びた時間が永遠のように思われた。
そして目の下のクマが確実に危険領域な濃さに・・・。


それでも祭りは止まってくれない。
メルセで一番過激な夜を迎えたのだ。



まずはこの画像から。
過激派の人たちではないとだけ宣言しておこう。



こちらも親子で完全防備。


子ども達も準備に余念がなく・・・。
だって、こうなるんだからね。


コチラ、Correfocといって、
仮装した人たちが、棒の先についたでっかい花火を持って、
太鼓のリズムに合わせて踊り、練り歩くもの。
それが、見物客の目の前で繰り広げられるから尋常じゃない。
素肌をさらした時点でアウトである。
開始を告げる一発目の爆音でもはや心臓が止まりそうになる。
衝撃波が直に感じられる至近戦の始まりだ。


2006年の夏、Aさまとこの火の粉の中に突入して、
この熱さと恐ろしさについては十分理解していたはず。
だから今回は遠巻きに見物よ〜と余裕をかましていたら、
火の粉が勝手に近づいて来た。容赦ない勢いで。

その後、逃げる逃げる。
それでも火の粉は追って来る。

日本勢、悲鳴を上げる中、
現地の子どもは涼しい顔して楽しんでいる。
これぞ3つ子の魂百まで。


メルセ祭り大好きだけど、
こればっかりは狂ってるとしか思えない演目。


いやはや、命拾いとはこのことだ。

やっと安心して見物できる位置に来たときには、
通りは火の海と化していた。




喪失 - 求めても戻らぬ失われた記憶

一夜明け・・・。

ぐわんぐわんの頭を上げると、
靴を履いたまま、メガネもしたまま、
ケータイ片手に持ってベッドに突っ伏している自分を発見。
殺人現場の人型のような姿で、もがきながら眠っていた様子。

って・・・。
私、本当はこんなとこにいるはずじゃなかった。

たしか前夜はメルセ当日。
野呂家、大谷さんと飲んだ後に、
友達がDJセットするというバルに行く約束してたよね・・・。
それで、いったん大谷さんと帰宅して、それから、それから〜。
ザザザーーーーー。

ケータイ見る。
着信アリ。
そして発信もアリ。
ってことは、友達としゃべってる???

メール見ると・・・
出た!友達にメールしてる。
"Estoy pensando sí o no. Es que hïn"
「私はYesかNoか考えてるの。だってhïn・・・」

もはや、最後の単語は言葉になっておらず・・・。
もちろんこんなもの送った記憶もまったくなく・・・。

とうとうバルセロナでもこの症状が出てしまったか。
日本で酔っぱらうと陽気に電話魔になったり、
意味不明なメールを送りつけたり・・・。
たまにあったけど、
こっちきてからは、自制心がまだ働いていたのか、
そこまで記憶が飛ぶこともなく・・・。

日本から酔っぱらいの神様がとうとう到着ですな。




喪失への序曲 - 第三楽章


何もかにもが同時にやって来た先週末。
実はバルセロナで最大のお祭り、La Mercèもやって来ていた。
バルセロナの守護聖人であるメルセを祝うのだが、
今年も24日の本番前後に街のあちこちで様々なイベントが。

とても体一つですべてをレポートするにはいたらず、
どうか詳細はコチラで確認していただこう。

で、色々行われているにもかかわらず、
やっぱり最も楽しみなのが、写真上のイベント。
カタルーニャのワイナリーが一堂に会する
カヴァとワインの試飲会である。
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6ユーロで10枚チケットとグラス一個を渡され、
自分の好きなメーカーのブースでワインを注いでいただく仕組み。


天気も良く、海辺でグラスを傾ける、
最高じゃないかーーーーーーー!!!
と、思わずお酒がすすむ。


会場の近くに引っ越して来たのは、
もしやこのためだった?と一瞬頭をかすめるも、
徒歩で帰宅し、再び飲み続ける。


日が傾く頃、とうとう日本から真打ち登場!
最後の刺客、兄さんこと大谷さんが仕事明けで合流。
ここがバルセロナであることをまったく感じさせない
神田錦町近辺のニオイが一気に増す。

それと相まって、「こいつら飲む」と判断した
商売上手のお兄さんたちが、
勝手にグラスにカヴァを追加していくが、
ここれへんから私の思考は上の空になりつつあった。


ハイ、上機嫌!
もはやこんな写真撮られていた記憶すらなく・・・。

それでもメルセの夜はまだまだ続くはずであった。













喪失への序曲 - 第二楽章


学校終了と時を同じくして、
日本からハネムーンの野呂カップルが到着!
で、飲むわけだ。

どうしてこのメンバーだと気づかぬうちに飲んでしまうのか。
そして我を忘れる程、飲まれてしまうのか。
旧知の中の安心感がそうさせてしまうのか。
はたまたモーレツに働いていた某会社の風景が
フラッシュバックして、悪酔いするのか。


昼は太陽の下で気持ちよく飲み、
夜は秋の夜風に吹かれてやっぱり気持ちよく飲む。

解禁以来、怒濤の酒漬けが始まったわけだが、
まだこの日までは千鳥足でも無事帰宅できていた、
とだけ報告しておこう。

次回につづく。

27 September 2010

喪失への序曲


慌ただしい日々が続き、すっかりご無沙汰しておりました。


とうとう語学学校も今月で最後ということで、
ビザの更新やらテスト勉強で一時パニック状態に・・・。
こちらに来て初めて一週間近く禁酒したわ。



晴れてテスト終了!はい、そして解禁!!!
クラスメイトらと街に繰り出した。
出かけた先は、ピカソ美術館と同じ通りにある
TapasをつまみながらCavaが飲めるお店とあって、
店内はつねに大混雑。
ボドル抱えて路上での酒盛りとなった。


向かいのこ綺麗なTapas屋があまりにガランとしてて切なくなるが、
それを横目にひたすら飲み続ける。
もはや誰が頼んだか分からないボトルが途切れることなく登場。
仕舞いには一人一本マイボトルを抱える飲みっぷり。


実はこの界隈、けっこう怪しげで常にすえた匂いがしてるのだが、
途中からまったく感じなくなったのが恐ろしい・・・。


まだ学校最終日が残っているってことで、
0時を回る頃には私は帰宅。
が、3時過ぎまでカラオケに繰り出した強者もいたとか。
こういう時のヨーロッパ人のはしゃぎっぷりにはつくづく感服。

それでも翌日きっかりみんなが授業にそろったのだから驚き。
さすが最終日、こればっかりは逃せなかったか、
しかし、みんなの顔が明らかに土気色している。

無事、今回試験を受けた人々は合格!
との発表を受け喜びが広がるが顔は死んでいる。


ひきつる笑顔で先生との記念写真。
立ちくらみの末フォーメーションが崩れそうになった一枚・・・。

これにてバルセロナ生活の第一フェーズが終了!








10 September 2010

TOKYO SKA!!


東京スカパラダイスオーケストラのライブ!!!
只今、ヨーロッパツアーを敢行中なのだ。
とはいえ、それを知ったのは学校の先生経由。
スカパラ、こっちでもかなり人気があるみたい。

ただしここはスペイン、バルセロナ。
ライブひとつとっても文化の違いを感じた日だった。
なにせ、20時開始と書いてありながら、
始まったのは21時をだいぶ過ぎてから。
最寄り駅に19:30に集合した我ら、
ビール飲みつつどれほど待ったことだろう・・・。

20時には閑散としてて、大丈夫か?
と若干心配していたけれど、
21時頃になると会場は満員御礼。
こうしてスペイン時間を学んだのである。

いざ、ゴッドファーザーのテーマとともに
ライブが始まってみるとオーディエンスの熱気は最高潮。
へたに早く行ってほぼ最前列を確保したことが、
早くも後悔される結果に。
久々に満員電車でもみくちゃにされている感覚を味わうことに。
踊り狂う人々の中で、とりあえず立っているのがやっと。


モヒカンのお兄さんたちが右に左に下に上にと
縦横無尽に踊り狂う。
そんなんで、同伴者を見失い、
会場で会おうねぇ〜と言っていた先生も見つけられず・・・。


なんとか後列に避難したところで、先生が私を発見してくれた。
はっきり言わなかったけど、明らかにカレらしき人を紹介される。
普段、教師と生徒としてまともに勉強しているけれど、
あまりにもオープンな先生のプライベートを垣間見て、
音楽の高まりとともに無駄にドキドキしたわ。


それにしても、会場には日本人の姿がけっこうあって、
こんなにいるものなのねぇと、改めて日本人コミュから
遠ざかっている自分の境遇にも思いを馳せたり。。。
ひとりお話した子は、スカパラ大好きで追っかけていて、
今回はわざわざカナダからやって来たとか。




怒濤の演奏と、嵐のようなオーディエンスの中、
ライブはあっという間に過ぎた。
いや、実際短かったのかもしれないが、
これ以上続いたら私は明らかに昇天していたであろう。

その証拠に、翌日の姿がコレ↓

松葉杖ついてる・・・。
会場でもみくちゃにされ、タックル食らったり、
足を踏まれた結果、翌日、左足首に激痛が・・・。
よたよた歩きを見かねた同居人が取りい出したるは魔法の杖。
今回はありがたくお借りした。
初め、お年寄りが持ってるようなステッキを出されたけど、
さすがにそれは辞退させていただいた。
ってか何でんなもん持ってんだ!?
「バス待ちとかで席譲ってもらえるかな〜」って言ってたけど、
実際使ったことはないとのこと。
まさか私が第一号になるとは・・・。







07 September 2010

Pinaとの再会


Gran Teatre del Liceuにてダンス・オペラ、
"Iphigenie auf Tauris"を鑑賞。

これこそ私が待ち構えていた演目。
最も敬愛するダンサーにしてコレオグラファー、
Pina Bauschの作品だ。
昨年の6月30日にピナが亡くなって、
彼女のカンパニーであるTanztheater Wuppertalの行く末は?
と一人案じていたわけだけど、
まさかバルセロナで再会できるとは。
行かない手はない。

この作品、もとはGluckオペラ。
今回は、1781年のウィーンバージョンからの上演。
ドイツ語・・・わからない・・・。
けど良いんです。ダンスが観られれば・・・。
ダンサーたちは、ブッパタール舞踊団のおなじみの顔ぶれ。
彼らが登場しただけで、一人胸が熱くなってしまった。

リセウ、先日Rafael Amargoのフラメンコを鑑賞したけど、
あらためてここはオペラ劇場なんだと実感。
オーケストラの演奏にオペラ歌手の歌声が響くと、
劇場内の空気がガラリと変化。ちょっと「のだめ」気分。
いつか本格オペラを見に来ようと決意。

終演後、キャストたちが再び舞台に登場。
今までとたった一つ違うこと。
いつもはにかみながらダンサー達に囲まれて登場したピナの姿が
もうここにはない。

最後に舞台中央に置かれた花。

天井桟敷から鑑賞した私の側に、ピナはいたのかな?


06 September 2010

カラオKe!?


新しいピソに引っ越して一週間。
新居は秩序が保たれていて快適。

というのも、お掃除当番がちゃんとある。
前は・・・大家の息子は掃除していたけど、
同居人の娘たちはというと・・・皆無。
そんなわけで、自分の部屋はもちろん、
お風呂場とトイレ、その他もろもろ一人で掃除してた。

打って変わって写真のとおり。
こちらキッチンの扉が黒板代わり。
一週間おきに掃除の場所が変わるという仕組みらしい。
今週私の当番はキッチン。
案外男子の方がマメなのかね。
どこも清潔に保たれていて安心。

さて、話は変わってご近所さん。
本日休日で、外から陽気なメロディーが流れてくるよ、
と思ったら、もしかしてカラオケ??

一部の方ならご存知、
日本に住んでいた時の我が家のお隣さんは、
カラオケパブ。
なぜか看板が「カラオKe」なお店。
そんなんで夜な夜な歌謡曲の調べを聞いていたわけだが、
まさかバルセロナでも同じシチュエーションに置かれるとわね。。。

しかも陽気におじさん歌っているよ・・・。
タンゴやらルンバやら。
このメロディーを聞いていたら、
本当に自分が外国にいるんだなぁという気がしてきたのだ。
ふぅ。音だけして姿見えず・・・。
音の出所では一体何が行われていたのだろうか?