18 April 2011

"エル・クラシコ"第一戦


16日、バルセロナの街はなんともいえない緊張感と高揚に包まれていた。

というのも、この日からわずか18日の間に、
なんと4度ものサッカー、バルセロナ対レアル・マドリーの対戦、
いわゆる伝統の一戦"エル・クラシコ"が行われるのだ。


その第一戦となったのが16日。
リーガ・エスパニョーラの第32節だ。
これを見逃すまいと友人と近所のバルに試合開始1時間前に向かったのだが、
すでに時遅し。バルは人で溢れかえり座れる席がない・・・。

テレビのあるバルを求めてしばし彷徨うもどこもいっぱい。
もうどこでもいいから・・・と思っていたところでようやく発見した
超ローカルなバル。こんなことがなければ絶対入らないだろう、
新橋チックな香りのする大衆酒場。

が、意外も意外、
このバルの店主、かなりのバルサ、もといサッカーファンだった。
バルの奥にはバルサグッズがキレイに並べられ、
自身が 地元のサッカークラブでプレーした時のものと思われる写真も
壁にバッチリ飾られている。

店主だけではない。
おそらく名物と思われる常連客のおじさん発見。
誰と話すというわけでもないのに、
独り言の域を超えた大声でサッカー解説をしている。
なぜかこのおじさん、私の横に席を移動。


そして試合開始直前、突如立ち上がったかと思いきや、
勝手知ったるバルといわんばかりに備え付けてあった棚を開け始め、
バルサの優勝旗を取り出し、テレビ画面の下に取り付けたのだ。
大分飲んでいるのか、乗っかった椅子がガクガクと揺れていて、
見ているこっちが冷や冷やしたが、
おじさん、右がずれてる、いや左、と
かなり配置にこだわってなかなか椅子から降りようとしない・・・。

見かねた店主が、テレビのチューナー落とすなよ〜、
バッチリだ〜といなすもまったく効力なし。
てか、店主、いつの間にかバルサのユニフォームに着てるし・・・。
背中には自分の名前がきちんとプリントされている。
なるほど、彼はJordiおじさん。

試合開始後はいつものとおり。
バルサに気合いを入れるため、バルを挙げての大声援。
常連おじさんの声のボリュームは増すばかり。
それに相まって手拍子も飛び抜けた音量。
次第に私の左耳がやられていくのを感じた・・・。

試合は前半、圧倒的にバルサがボールを支配していたものの、
なかなか得点に結びつかぬまま後半へ。
そして後半開始直後、レアル・マドリーのアルビオルが
ペナルティーエリアでバルサのビジャを倒し退場処分。
マドリーは10人で試合を戦うことに。
この時のPKをメッシが確実に決め、バルサが一歩リード。

こうなったらバルの営業も何もあったもんじゃない。
Jordiおじさん、気づけば一番前の席に陣取って観戦している・・・。

残念ながら試合はその後、バルサのGKダニエウ・アウベスが
レアル・マドリーのマルセロを倒したという審判によりPKとなり、
それをクリスティアーノ・ロナウドが決め引き分けという結果に。

一緒だった友人はバルセロナで"エル・クラシコ"を観戦するのが初めてで、
バルセロナの勝利後に街に繰り出す人々を見るのを楽しみにしていたのだが、
それもおあずけとなった。

さて、第2戦は次の水曜日。スペイン国王杯だ。
一発勝負のこの試合、第一戦より緊張が高まるのは間違いない。

隣のおじさんのおかげですっかり耳のやられた私。
次回は耳栓を持参する必要がありそうだ。

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