先ほどバルから帰宅したが、街は例によってお祭り騒ぎ。
祝福のクラクションの嵐ざんす。
帰りのメトロは都内の朝のラッシュをしのぐ程で、
汗だくの人たちであり得ない混みようだったわ・・・。
こんな歴史的瞬間にスペインにいれたことは本当に喜ばしいこと。
日本からの友人と観戦できたことでより一層思いで深いものに。
しかしながら、この前日、バルセロナではもう一つの歴史的瞬間が。
次の写真の旗の模様をよーく見ていただきたい。
7月10日の様子
7月11日の様子
上の写真がカタルーニャの旗。
下の写真がスペインの旗。
赤と黄色、同じ色だがそれの意味するところには大きな違いがある。
実はワールドカップ優勝前日、
バルセロナでは参加者150万人ともいわれる
大規模なデモが行われた。
カタルーニャの総人口730万人、バルセロナは160万人だから、
その規模の大きさはこの数字だけでおわかりいただけるかと思う。
私が通りかかったときは、デモも終盤に近い頃だったが、
今回の中心地グラシア通りは、今夜のワールドカップ優勝後と
比較にならない程の人出だったことは間違いない。
このデモ、何を訴えるためかといえば、
カタルーニャの独立について。
かつてカタルーニャ自治州は「カタルーニャ自治憲章」
というものを作り住民投票、自治州議会、
そしてスペイン国会で承認されたのだが、
その後スペインの保守政党PP(国民党)が
この自治憲章を憲法違反だー!と訴えた。
それから4年程、ああだこうだと憲法裁判所での
審議にかけられ、宙ぶらりんな状態が続いていた。
そして先日、ついぞその結果が出たと思えば、
その内容は大幅に修正され、跡形もないようなものに・・・。
これにはカタルーニャの人々、怒り心頭!!!
そして今回の大集結となったわけだ。
デモを呼びかけるポスターにはこうある。
「わたしたちは決めた。(カタルーニャが)一つの国であることを」
ま、言いたいのはこういうことらしい・・・。
ただ、皮肉なことに、
昨日のデモであれだけの人が集まったというのに、
本日のワールドカップ優勝でスペイン国内において、
カタルーニャ市民の声はかき消されたも同然。
もちろん今朝の新聞にはデモの話題が一面だったけど、
明日にはメディアはワールドカップ一色で、
この件は一掃されちゃうのかな・・・と思うとちょいと切ない。
そしてそういう仕組みが意図的であったとしたら恐ろしい。
日本で放映されたかどうかは定かじゃないけど、
ワールドカップの授与後、バルサの選手であるプジョルが
ピッチでカタルーニャの旗をフリフリしている姿が印象的だった。
スペイン代表として戦った彼がですよー。
こちらのバルではイニエスタのゴール同様、ここが一番盛り上がった!
今まで代表として戦ったこと越えて、
世界の場で表現することの意味って、
とても大きいと思うのだった。
スペイン国民がデモのことを忘却の彼方に持って行こうとする中、
このシーンが誰かの記憶に残ったら、声が届く日もくるのかな。。。
本日の帰り道、昨日のデモの残骸を見て、
自分自身の昂揚気分が少しおさまったのだった。
カタルーニャ語でこう書いてある、「さよなら、エスパーニャ」
素直に喜べない、そんなバルセロナからのレポート。
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